卵管は卵と精子の出会いの場であり、妊娠には重要な場所です。子宮卵管造影検査や腹腔鏡手術で卵管が詰まっている(閉塞)、またはつまり気味(狭窄)と診断を受けた場合は自然妊娠が難しくなり、卵管を経由しない体外受精が治療として勧められています。
子宮卵管造影(HSG)にて、卵管狭窄または卵管閉塞の方が手術適応となります。
この卵管鏡下卵管形成術で卵管の通過性を改善させることにより、体外受精ではない自然妊娠を期待できます。0.6mmほどの細いカメラ(卵管鏡)で卵管を見ながら風船を膨らませたりしぼめたりしながら卵管のつまりをとります。
1.治療器具は、内視鏡(卵管鏡)を内蔵した細い管(カテーテル)です。
2.カテーテルを膣から子宮へと挿入し、卵管に近づけます。
3.カテーテルの風船(バルーン)を膨らませて、卵管の中へバルーンを進めます。
4.詰まっていたり、狭くなっている部分を広げます。
5.最後に、通過障害が改善したことを卵管鏡で確認します。
術後平均3~4ヶ月で妊娠することが多く、術後6ヶ月はその効果が持続するといわれています。術後妊娠率は20~30%と体外受精に匹敵する妊娠率となっています。
お昼頃に受診していただき、準備後手術が始まります。手術時間は約20~30分程度です。静脈麻酔という麻酔方法を使用しますので、眠っている間に終わります。
夕方、術後の状態を確認と説明後に帰宅となります。
実施は月経~排卵日までの間が適しています。
健康保険適用の治療で約26-28万円です。
両側卵管形成術を受けられた場合には、高額医療助成の対象となりますので加入保険から還付金があります(所得により返還額は異なります)。詳しくは、お住まいの役所もしくは社会保険事務所にお尋ねください。
予約については、担当医とご相談ください。